クサギ染

クサギの果実(染料の情報源)

クサギ(臭木、Clerodendrum trichotomum)の部位、とくに果実に着目し、色素を抽出して布へ定着させる試み。青系から灰みを帯びた色まで、採取時期や抽出条件で表情が変わります。

基本工程: 採取 → 選別 → 抽出(煮出し) → 必要に応じ媒染 → 染色 → 洗い・乾燥。果実は潰して水出し後に温抽出を併用すると、発色が安定しやすい印象です。

Made with: 草木染(クサギ)

工程メモ

採取(季節・部位)

秋口、赤い萼からのぞく瑠璃色の果実が目印。葉・枝・萼・果実で香りや色の出方が異なります。果実は果肉・種・萼を分けて用意しておくと観察がしやすいです。

クサギの自生(採取地の様子)
自生の様子。赤い萼と青い果実が特徴的。
採取したクサギの選別(萼・果実・枝葉の仕分け)
採取物の選別。部位ごとに分けておくと抽出の比較がしやすい。

抽出(煮出し)

果実・萼を水で一度戻し、潰してから弱火で煮出す。温度は沸騰を維持しない程度が扱いやすい。抽出液は濾して不溶物を取り除きます。

クサギの抽出液(染液)
抽出液(染液)。濾過して不溶物を除去。

染色と定着

素材は綿・麻などセルロース系を想定。素地洗い後、抽出液で数回に分けて浸染→酸化→水洗を繰り返す。媒染(鉄・アルミ等)は色相・濃度を大きく左右するため、ごく薄い浴から試すのが安全です。

染色中(浸染の様子)
浸染の様子。浸し→酸化→水洗を繰り返す。
染め上がりの布(仕上がり例)
染め上がりの布。媒染や抽出条件で色調が変わる。

失敗と学び(青摺みの試行)

古来の青摺(あおずり)に倣い、葉を直接擦り付ける手法をクサギで試したが、定着が不十分で退色。葉を擦る=青摺は、葉の構成や酵素反応に依存するため、山藍など特定の植物に限られる可能性が高い。

クサギでの青摺み試行(退色した失敗例)
青摺みの試行(退色)。定着・発色の仕組みが異なると推察。

文化・文献ノート(要確認)

クサギは古くから身近な落葉低木で、染色や玩具など地域の用い方が多様に伝承されています。新嘗祭に関わる黒酒との関連を示す資料があるという話もありますが、典拠は版や地域で異なる可能性があるため、出典確認が必要です。該当史料がまとまり次第、ここに追補します。

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