カラムシ染

カラムシと泥で染められた布

明確な完成図を持たない行為が、いかにして土地と身体の記憶を布の上に堆積させていくかという実証。植物と泥の持つ原始的な力。

制作記録

採取と下処理

小院瀬見で採取したカラムシを水洗し、繊維の向きと厚みに注意しながら刻み、煮出し液をつくる。媒染は泥田の鉄分を活用する前提で、布地は無媒染で下準備。

泥に布を浸す様子
田んぼでの泥媒染。布に含ませた植物成分が鉄分と結びつく。

染めと媒染

煮出し液で数回に分けて染めを重ね、泥媒染で色を固定。回数や滞留時間によって、黄味〜オリーブ系の渋い色調が現れる。

染め上った布
乾燥後の発色。光の角度で深みが変わる。

所感と学び

泥中の鉄分がもたらす色の安定と、カラムシの繊維感が重なることで、布地の存在感が一段引き上がる。水場の匂い、土の温度、季節の湿度まで、布に写りこむようだった。

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